5. システム管理


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5.1 どうすればシステムをシングル/マルチユーザーモードで立ち上げられますか?

Booterのメニューから[Select Options]->[Booting...]を選んでください。シングルユーザーモードの場合、"Single user mode"のチェックボックスをチェックしてください。マルチユーザーモードならチェックを外します。

5.2 どうしてadduserがないのですか?どうすれば新ユーザーを登録できますか?

手動でユーザーを追加するには以下の手順を踏んでください[訳註:rootとしてログインするかrootにsuしてから行います。といっても新しくシステムをインストールした直後ではroot以外にログインできるユーザーはありませんが]。より完全な記述はadduser(8)のマニュアルページを参照してください:

  1. パスワードファイルをvipwで編集します:
            # vipw
    
  2. 新ユーザー用のエントリーを追加、ファイルを書き出し、vipwを終了します。
  3. /etc/groupsに新ユーザーのエントリーを追加します。
  4. 新ユーザーのホームディレクトリーを作成します。
  5. ホームディレクトリーの所有者を新ユーザーのuserid:groupidに変更します。
  6. 必要なら初期パスワードを設定します。
            # passwd [username]
    

しかし、多数のユーザーを一度に追加する場合、または単純にスクリプトにやらせたい場合は、Hubert Feyrer (Hubert.Feyrer@rz.uni-regensburg.de)のスクリプトが役に立つかも知れません:

ftp://ftp.uni-regensburg.de:/pub/NetBSD-Amiga/contrib/adduser-1.2.tar.gz
または
ftp://ftp.NetBSD.org/pub/NetBSD-Amiga/contrib/adduser-1.2.tar.gz
[訳註:ftp.NetBSD.orgのホストが交代したため、後者のURLは現在では存在しません]このスクリプトはperlで書かれており、少しカスタム化が必要かも知れません。

もうひとつの解決策として:

ftp://ftp.quick.com.au/pub/unix/adduser.sh
をSimon J. Gerraty (sjg@zen.void.oz.au)が薦めています。彼はこう書きました:
このスクリプトはNetBSD、SunOS、Solaris、HP-UXそしてたぶんその他のシステムで動作します。

vipwを使用しているのでファイルロッキングなどは問題にならず、また、もし適切なプロトタイプディレクトリーがあれば、ユーザーのホームディレクトリーにデフォルトの初期化ファイルをコピーします。

プロンプトを出させて対話的にユーザーID、本名を入力することも、コマンドラインですべて与えることもできます。

これらのスクリプトのうちどれもNetBSDの「公式」なものでないことに注意してください。したがって期待通りに動作しないこともあり得ます。adduser(8)マニュアルページがやはり「公式」の回答ということになります。

5.3 シングルユーザーモードでブートした後で、どうすればマルチユーザーモードでシステムを立ち上げることができますか?

コントロール-Dかexitコマンドでシングルユーザーシェルを抜けてください。

5.4 ファイルシステムが読み出し専用モードでマウントされているのですが、どうすれば読み書き両用でマウントできますか?

このコマンドを使います:mount -u /。まず間違いなくシングルユーザーモードでブートしたのでしょう。シングルユーザーモードでは、ルートファイルシステムのみが読み出し専用でマウントされます。このため、マルチユーザーモードを立ち上げる前に、安全にfsckを実行することができるのです。/etc/fstabに指定されているすべてのファイルシステムを一度にマウントするには、mount -aを使います。

しかし、一番良いのはシングルユーザーシェルを終了してシステムをマルチユーザーモードで立ち上げることです。これによって/etc/fstabに指定されたファイルシステムが、指定のモードでマウントされます。

5.5 いつならfsckを実行しても安全でしょうか?

fsckは、マウントされていないか、読み出し専用モードでマウントされているファイルシステムにだけ実行します。読み書きモードでマウントされているファイルシステムにfsckをかけるのは危険で、ファイルシステム破壊の原因ともなり得ます。システムをシングルユーザーモードで起動すると、ルートファイルシステムだけが読み出し専用モードでマウントされます。ここで、

fsck -p
を実行することで、マルチユーザーモードを立ち上げる前にすべてのファイルシステムを検査することができます。もしファイルシステムがそれ以前の「クリーン」とマークされているが、それでもファイルシステムの検査を行う場合は、fsck-fオプションをつけて実行します。

もし、fsckを実行してファイルシステムに何か変更をした(書き込みを行った)場合、次のコマンドを実行してマシンを直ちにリブートするのがよいでしょう:

reboot -n
このコマンドはディスクをsyncすることなくマシンをリブートします。[訳註:fsckはカーネル内のファイルシステムソフトウェアのトラックバッファを介さずにディスクにアクセスするので、読み書き両用でマウントされたファイルシステムに対してfsckを実行してファイルシステムを修正すると、トラックバッファ上のファイルシステムイメージと実際のディスク上のファイルシステムとの間で整合性が崩れることがあります。その時ディスクをsyncしてしまうとファイルシステムが破壊される恐れがあるため、syncせずにリブートした方がよいのです。ただし、マウントされたファイルシステムがすべて読み出し専用モードの場合には、syncすべきデータも存在しないのでrebootコマンドに-nオプションをつけなくても問題ありません]

5.6 マシンをシャットダウンするにはどうしたら良いですか?

このコマンドを実行してください[訳註:マルチユーザーモードの場合。シングルユーザーではhaltコマンドを使用します]:

shutdown -h now

このコマンドは、その時々によっていくつかの機種で動いたり動かなくなったりするNetBSDのコマンドのひとつです。時々シャットダウン手順を終了する前にハングしたりします。リブートしてMac OSでシャットダウンするのは常に動きます。

もしリブートもうまく働かないようなら、shutdownコマンドを使ってシングルユーザーモードに入り、syncコマンドによってディスクをsyncし、最後にマシンの電源を手動で切ります。これでファイルシステムに対するダメージを防ぐことができます。

5.7 マシンをリブートするにはどうすれば良いですか?

shutdown -r now
reboot
のどちらかのコマンドを使用します。

ここで注意ですが、このコマンドもいくつかの機種で動いたり動かなくなったりするコマンドのようです。よく見られる症状は、リブートしそうになるものの、実際にリスタートする前にハングしてしまう、というものです。時には、必要のないデバイスドライバーすべてを削除してコンパイルしたカスタムカーネルによって症状が収まることもあります。

マシンにパワーサイクルをかけることとそれによって生じることのあるファイルシステムダメージを防ぐ最後の手段としては、shutdownコマンドを使ってシングルユーザーモードに入り、syncコマンドでディスクをsyncし、そしてプログラマスイッチまたはThree-finger SaluteでMacをリスタートしてください。

5.8 どうやってTZ環境変数を正しく私のタイムゾーンに設定できますか?

次の 正確な時刻をセットする項を参照してください。

5.9 どうやってMacBSDで正確な時刻(とタイムゾーン)をセットできますか?

以下は、MacBSDで正しい時刻とタイムゾーンをセットするための手順を簡単にまとめたものです:

  1. まずMac OSで時刻とタイムゾーンを正確に設定します:
  2. 次にBooterで、正しいGMTバイアスを設定します:
  3. 最後にNetBSDで適切なローカルタイムゾーンを設定します:

カーネルコンフィギュレーションファイル中でのタイムゾーン指定(options DSTおよびoptions TIMEZONEによる)は現在使われていません。正しい/usr/share/zoneinfo/から/etc/localtimeへのシンボリックリンクと正しくセットされた時計(および新しいバージョンの「日付と時計」コントロールパネルのタイムゾーン情報)そして「世界地図」コントロールパネル、Booterに設定された適切なGMTバイアスの値、これらの組合せによってタイムゾーンは適切に処理されます。もし/usrがルートと独立したファイルシステムである場合、シンボリックリンクを張るかわりにzoneinfoファイルを/etc/localtimeへコピーした方がよいと思うかも知れません。これによって/usrがマウントされていなくてもローカルタイムゾーン情報が有効になります。

BooterでGMTバイアスを設定する代わりにオフセットをコンパイル時にカーネルに組み込むこともできます:

options RTC_OFFSET=###

デフォルトのタイムゾーンはおそらくEST(アメリカ東部時間)かPST(アメリカ太平洋時間)でしょうから、最初は次のような警告に出くわすかも知れません:

Warning: Battery clock earlier than filesystem date
これはファイルシステムのタイムスタンプにローカルタイムが追いつけば出なくなります。

以下の人々がこの問題について助けてくれました:

5.10 /kernディレクトリーは何に使われているのですか?

これはkernfsファイルシステムをマウントするために使用されています。詳しくはman mount_kernfsを参照してください。

5.11 /procディレクトリーは何に使われているのですか?

これはprocfsファイルシステムをマウントするのに使われています。The Design and Implementation of the 4.3BSD UNIX Operating System、Leffler、McKusick他、104-5ページ、436を参照してください。また、man mount_procfsも参照してください。

5.12 fingerによって表示される私に関する情報を変更するにはどうすれば良いですか?

chfnコマンドを使ってください。またはvipwを使って/etc/master.passwdを編集することでも変更できます。[訳註:後者の方法ではどのユーザーに関する情報でも編集可能ですが、rootの権限が必要です]

5.13 NetBSDを使うためにはどのファイルを編集する必要がありますか?

NetBSDは設定ファイルをまったく編集せずにインストール後そのままの状態でも結構使えますが、以下のファイルを設定すると役に立ちます:

一般に、設定しなければならないファイルについては、マニュアルページのセクション5にマニュアルがあります。rc.conf(5)マニュアルページはとくに有用だと思います。

上の情報のかなりを提供してくれたBrian Gaeke (brg@dgate.org)に感謝します。

5.14 NetBSDシステム管理のため、何か読んでおいた方が良いものはありますか?

メタFAQの 推薦図書の項を参照してください。

また、 *BSD FAQもNetBSDシステム管理に有用なたくさんの情報が掲載されています。

[訳註: 日本語訳があります]

5.15 私のLinuxマシンからNetBSDのディレクトリーをNFS経由でマウントしようとしてもうまくいかないのですが

GENERICカーネルを使っていますか?もしそうならそれが原因です。NetBSD 1.2E以前のGENERICカーネルはコンフィギュレーションファイルのNFSSERVERオプションつきでコンパイルされていないのです。自分でNFSSERVERオプションつきカーネルを構築することもできます(カーネルコンフィギュレーションファイルの詳細についてはman 8 configか、 カーネル構築HOWTOを参照してください)が、最近のcurrent GENERICカーネルを入手することもできます。

5.16 シングルユーザーモードにする意味は何かあるんですか?

いくつかあります。例えば:

上の回答を寄せてくれた中田健(kenn@macbsd.com)に感謝します。

5.17 /etc/motdのメッセージを変えたいのですが、変えてもしばらく経つと内容が元に戻ってしまいます

ヘッダー(1行目のカーネル情報)以降を変える必要があります。もしこのヘッダーを削除してしまうと、次のブート時に/etc/rc.localの中でファイルの内容を元に戻すようになっているのです。

5.18 どうやってNetBSDのネットワーク機能を設定すればよいですか?

通信とネットワークセクションの 回答を参照してください。


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(連絡先 - 英語, 日本語: www@jp.NetBSD.org)
$NetBSD: faq-5.html,v 1.2 2007/06/09 20:18:04 dsieger Exp $
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