NetBSD 1.4.xについての情報
NetBSD 1.4 はNetBSDオペレーティングシステムの7番目のリリースで、
最初は 1999年5月12日にリリースされました。
最新のパッチリリースは
NetBSD 1.4.3
で、2000年11月25日にリリースされました。
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NetBSD 1.4.3 ではバグが修正され、新しいハードウェアのサポートが追加されて
います。ユーザーはできるかぎりアップグレードしてください。
1.4.3の変更
点一覧が入手可能です。
メインドキュメントには入っていない重要な最終段階での
変更点一覧もあります。
NetBSD 1.4.x には以下に挙げるアーキテクチャー用のバイナリーがあります:
バイナリーとソースは以下の場所から入手できます:
NetBSD 1.4 のリリースエンジニアチームは、このリリースのために
貢献してくださった文字通り何百という方々に感謝しています。
また、ユーザーの皆さんにも感謝します。NetBSDをその熱意や宣伝、貢献で
支えてくださいました。
1.4.2 と 1.4.3 の間の主要な変更点
- Lucent Wavelan (Orinoco) 802.11B無線 Ethernet PCMCIAカードのドライ
バーが追加されました。
wi(4)
を参照してください。
- PCI Cyclom-4Y および -8Y マルチポートシリアルカードに対応しました。
- Macintosh LC Ethernet アダプターに対応しました。
- Macintosh Quadra 605 の内蔵ビデオに対応しました。
- Alteon Gigabit Ethernet ドライバー、
ti(4)
のバグが修正
されました。
- いくつかの新たなPCI IDEコントローラーに対応しました。
pciide(4)
を参照してください。
- i386 ポートは wd2 や wd3 にもインストールできるでしょう。
- I/O のサイズ(データ長)が大きい場合に起こり得る、CPU時間を使い切って
しまう問題が修正されました。これは SA#2000-005 を解決します。
- IP オプションの取り扱いに関連するサービス不能問題が修正されました。
これは SA#2000-002 を解決します。
- /etc/ftpchroot に関する問題が修正されました。これは SA#2000-006 を解
決します。
- セマフォーのロックに関する小さな問題が修正されました。これは
SA#2000-004 を解決します。
- DHCP ソフトウェアは ISC 2.0pl3に更新されました。dhcp クライアントの
コードにあったセキュリティーの問題(SA#2000-008)もこれによって解決
されました。
- 利用者が指定したデータを書式指定文字列として扱う際の方法についての
ftpd の問題が修正されました。これは SA#2000-009 を解決します。
- sparc の c++rt0.o のコードは -fPIC オプションをつけてコンパイルされるよ
うになりました。これは(sparc/a.out では c++rt0.o にリンクされなくては
ならない)グローバル・コンストラクターを持つライブラリーもまた -fPIC
オプションをつけてコンパイルされなくてはならないことを意味します。
- 現在ほとんどの国で、以前は制限されていた「domestic」セットを含む、
すべてのリリースを制限なしに輸入することができます。唯一「問題のあ
る地域」は米国との通商を禁止している国々です。この件についての詳細
は
http://www.NetBSD.org/about/crypto-export.html
から参照できます。
- 利用者の指定した書式指定文字列によってバッファー・オーバーランが引
き起こされる可能性を取り除くため、広範囲に渡ってソースコードが監査
され、それぞれ修正されました。
NetBSD 1.4.3 に施された全ての変更点は
CHANGES-1.4.3
に記述されています。
1.4.1 と 1.4.2 の間の主要な変更点
- Alteon Gigabit イーサネットカードのドライバーが追加されました。概要は
ti(4) を御覧ください。
- Realtek 8129/8239 Fast Ethernet PCI カードのドライバーが追加されました。概要は
rl(4) を御覧ください。
- DPT SmartCache と SmartRAID III/IV SCSI
アダプター用のドライバーが追加されました。概要は dpt(4) を御覧ください。
- BOCA IOAT66 6-port ISA シリアルアダプター用のドライバーが
追加されました。概要は ioat(4) を御覧ください。
- X-surf Amiga board がサポートされました。
- ext2fs revision 1 がサポートされました。``sparse super'' は
読取り専用モードのみサポートされ、``filetype'' オプションが追加されました。
詳しくは Hubert
Feyrer のこれらの拡張についてのページ を御覧ください。
- BIND がバージョン 8.2.2-P5 にアップグレードされました。
- IPF パケットフィルターリングソフトウェアがバージョン 3.3.5 に
アップグレードされました。
- tcpdump がパケットの内容を hex/ascii 形式でダンプできるように
なりました。概要は tcpdump(8) を御覧ください。
- System V 形式のユーザー管理ユーティリティーの実装が追加されました。
- ``errno'' が常に関数呼び出しに展開されるマクロになりました。
これはシステムとサードパーティー製のライブラリーの双方のコードと
スレッドライブラリーの統合を容易にするために行なわれました。
正しい ``errno'' の定義にアクセスするためには
<errno.h>をインクルードしてください。
- シェルスクリプトで一時ファイルを作成するためのユーティリティーが
追加されました。概要は mktemp(1) を御覧ください。
- オートマウントユーティリティー amd(8) が
セキュリティー問題を解決するためにアップグレードされました。
- procfs のセキュリティー上の問題が修正されました。NetBSD では procfs は
デフォルトでは使用されていません。
- m68k CPU を用いているポートにおける浮動小数点エミュレーションが
NetBSD 1.4 に含まれているバージョンに戻されました。これは
NetBSD 1.4.1 に含まれているバージョンに問題があることが判明したためです。
- いくつかのサブシステムに、RAIDframe, LFS やパッケージツールなどの
重要な成果が加えられました。
NetBSD 1.4.2 に施された全ての変更点は
CHANGES-1.4.2
に記述されています。
1.4 と 1.4.1 の間の主要な変更点
- NetBSD/alpha ポートの Digital UNIX / Tru64 互換性が大幅に改善されました。
- インストールツールとユーティリティーの多くのバグが修正され、改善されました。
- より多くの PCI シリアル/パラレルカードのサポートが追加されました。
- m68k CPU を用いているポートにおける浮動小数点エミュレーションが
アップグレードされました。
- /dev/randomの致命的な問題が発見され修正されました。
- NetBSD/alpha に Alpha 21264 ev6 を用いたシステムのサポートが
追加されました。
NetBSD 1.4.1 に施された全ての変更点は
CHANGES-1.4.1
に記述されています。
1.3 と 1.4 の間の主要な変更点
NetBSD 1.4 リリースに加えられた約2年にも及ぶ開発全てを
まとめるのは不可能です。
ハイライトを挙げてみます:
- TCP/IPの実装を大幅に改善しました。Jason Thorpeたちがたくさんの
パフォーマンスの改善やバグ改修を行いました。
- Paul Kranenburg が効率のよい新しいカーネルメモリープールアロケーター
を開発しました。ほとんどのカーネルサブシステムに組み込まれています。
- Chuck Cranor が全面的に書き直された新しい仮想メモリーサブシステム、UVMを
開発しました。仮想メモリーサブシステムの前身である古いMachよりも、
きれいな実装で、より良いパフォーマンスを発揮しています。
- POSIXとXPGの準拠を改善しました。
- まだ行われていなかった現行の4.4BSD Lite-2カーネルの改良とバグ修正を
完了しました。(ユーザーランドのコンポーネントは全てNetBSD 1.3以前に
統合されています)
- いくつかの新しいポートがソースツリーに加わりました。この中にはmacppc、
bebox、sparc64、next68k などが含まれます。
- システムコンパイラーがegcs 1.1.1にアップグレードされ、ツールチェイン
は現在 (ほとんど) GNU binutilsの最新バージョンを利用しています。
この中には4.4BSD Liteから引き継いだ古いバージョンは含まれません。
- 誰もがよく使うftp(1)
クライアントがさらに改良されました。詳しくはmanページをご覧ください。
- 新しい、アーキテクチャー独立のコンソールドライバー、
wscons(4) がたくさんのポートに統合されました。
- たくさんの改善がオーディオサブシステムサポートに行われ、
MIDIのデバイスドライバーがサポートされました。
- Linux 互換サポートが改善されました。
- たくさんのスケジューラーの強化により、インタラクティブなパフォーマンスや
バックグラウンドタスクの管理を劇的に改善しました。
- ネットワークトンネリングプロトコルがいくつか実装されました。
IP中のGREとIPが含まれます。
- CODA配布ファイルシステムをカーネルがサポートするようになりました。
- Manuel Bouyerが大幅な変更を加えて、IDE対応を完成させました。
現在アーキテクチャー非依存になっています。
IDEのコードに大幅な変更が加えられて、PCI IDEコントローラーでの
エラー処理が向上し、ATAPIサポートが改善され、32ビットデータI/Oや
バスマスターDMAをサポートするようになりました。
- Lennart Augustsson がUSBサポートを完成させ、さまざまなUSB周辺機器が
使えるようになりました。ドライバーはPCIバスをサポートする機種であれば
簡単に実装できるはずです。概要は、
usb(4) をご覧ください。
- カーネギーメロン大学の並行データ研究所から、RAIDframe (バージョン1.1)
が統合されました。RAIDレベル0, 1, 4, 5などをサポートします。
- Luke Mewburn が
nsswitch.conf(5)
の機能を付け加えました。これにより、システムデータベースを検索する
順番を指定することが出来ます。
- syslogd(8) が複数のソケットで処理を受け付けるようになりました。
サーバーのchrootを簡単にするためです。
- ほとんどのサードパーティー製パッケージが最新の安定版にアップデートされました。
上記の通り、他に数えきれないほどのバグ修正があります。
カーネルのインターフェースが引き続き洗練され、
ポート間でサブシステムやデバイスドライバーが続々と共有されるでしょう。
この傾向が続くことに期待してください。
(連絡先 - 英語,
日本語:
www@jp.NetBSD.org)
$NetBSD: index.list,v 1.2 2007/07/13 17:41:26 kano Exp $
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