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NetBSD 3.0 のアナウンス

NetBSDプロジェクトは、 NetBSDオペレーティングシステムのリリース 3.0 を 発表できることを喜ばしく思います。

NetBSDは、世界中で最も移植性の高いオペレーティングシステムとして 広く知られています。現在、57の異なるシステムに 一つのソースツリーで対応しており、他のシステムへの移植作業も常に 続けられています。

NetBSD 3.0 では、長い伝統を維持しつつも、 安定性、性能、ネットワーキング、セキュリティーの大きな改善がおこなわれており、 また、二つの新しいプラットフォーム (iyonix および hp700) をはじめ、 多くの新しい周辺機器への対応もおこなわれています。

ネットワークスタックに対して広範囲にわたる改良がおこなわれましたが、 これは単に性能が向上したというだけではなく、NetBSD が VPN ゲートウェイの優れた選択肢になったということでもあります。 PAM (Pluggable Authentication Modules) の枠組みは、 NetBSD のユーザー管理をより柔軟なものとし、 異種混同のネットワークへの統合を単純化します。 カーネル、ライブラリー、ユーティリティーは、 2 テラバイトを超えるファイルシステムを扱うことができるようになり、また、 Xen 2.0 への対応により、 一台のマシンに多数の仮想サーバーを置くことができます。

さらなる NetBSD 3.0 の成果については、この後にある一覧をお読みください。

NetBSD 3.0 の完全なソースコードおよびバイナリーは、世界中の多くのサイトから ダウンロード可能です。FTP、AnonCVS、SUPやその他のサービスによる ダウンロードサイトの一覧が、このアナウンスの最後にあります。 また、最新のダウンロードサイトの一覧は、 http://www.NetBSD.org/mirrors/ にもあります。

CD-ROM ISO イメージを使ってインストールをする利用者のみなさんには、 ISO イメージ置き場にある torrent ファイルを使い、 BitTorrent 経由でダウンロードすることをおすすめします。

NetBSD 3.0 配布物のハッシュの一覧は、広く知られている NetBSD セキュリティーオフィサーの PGP 鍵で署名されています: ftp://ftp.NetBSD.org/pub/NetBSD/security/hashes/NetBSD-3.0_hashes.asc

NetBSD について

NetBSD オペレーティングシステムは、完全な機能を持つ、オープンソースの、 UNIX風のオペレーティングシステムで、Berkeley Networking Release 2 (Net/2)、 4.4BSD-Liteそして4.4BSD-Lite2の流れをくんでいます。 NetBSD 3.0 は、17 のまったく異なるCPUファミリーと 17のマシンアーキテクチャーをサポートし、57の異なる システムアーキテクチャー上で動作しており、さらに現在も移植作業が 進められています。 NetBSD 3.0 リリースには、53 の異なるマシン向けの完全なバイナリーリリースが 含まれているほか、amigappc, bebox, pc532, playstation2 の各プラットフォーム向けのソース形式のみのリリースが含まれています。

NetBSDは高度に統合されたシステムです。NetBSDは、移植性の高い 高性能なカーネルに加えて、ユーザーユーティリティー、 さまざまな言語のコンパイラー、X ウィンドウシステム、 ファイヤーウォールソフトウェアなど多くのツールを、 全てソースコード付きで含んでいます。NetBSD パッケージコレクション (pkgsrc) には 5,700 を超えるパッケージがあり、 現在、各種プラットフォーム用のバイナリーパッケージをリリースするための作業がおこなわれています。

NetBSDプロジェクトの目的についての詳しい情報は、 以下の NetBSD Webサイトから得ることができます。

NetBSDはフリーです。すべてのコードは非限定的ライセンスで配布され、 誰にもロイヤルティーを払うことなく利用できます。無償のサポートサービスを、 メーリングリストやWebサイトを通じて受けることができます。 また、商用サポートには様々なものがありますが、その主なものは 以下から見つけることができます。

NetBSD についてのより広範囲の情報は、 NetBSD のWebサイトから入手することができます。

NetBSD は、世界中に広がる多様な開発者たちのグループによる作品です。 NetBSDの名前の中のNetとは、インターネットに対する感謝のしるしです。 インターネットは、私達がコミュニケーションしたり、コードを共有することを 可能にしました。 インターネットなしでは、このプロジェクト自体存在し得なかったでしょう。

NetBSD 3.0 でサポートされるシステムファミリー

NetBSD 3.0 のリリースでは、以下のシステム用バイナリーを提供しています。

NetBSD/acorn26 Acorn Archimedes、A-シリーズ と R-シリーズのシステム
NetBSD/acorn32 Acorn RiscPC/A7000, VLSI RC7500
NetBSD/algor Algorithmics社 MIPS評価ボード
NetBSD/alpha Digital/Compaq Alpha (64ビット)
NetBSD/amd64 x86_64 対応 CPU を持つコンピューター
NetBSD/amiga コモドール Amiga、マクロシステム DraCo
NetBSD/arc Advanced RISC Computing仕様準拠のMIPSベースマシン
NetBSD/atari アタリ TT030、Falcon、Hades
NetBSD/cats Chalice Technologyの CATS と Intel の EBSA-285 評価ボード
NetBSD/cesfic CES FIC8234 VME プロセッサーボード
NetBSD/cobalt コバルトネットワークスのMIPSベースマイクロサーバー
NetBSD/dreamcast セガドリームキャストゲーム機
NetBSD/evbarm ARM評価ボード
NetBSD/evbmips MIPSベース評価ボード
NetBSD/evbppc PowerPC CPU の評価ボードと製品
NetBSD/evbsh3 日立Super-H SH3とSH4 CPUの評価ボード
NetBSD/evbsh5 日立Super-H SH5 CPUの評価ボード
NetBSD/hp300 ヒューレットパッカード9000/300と400シリーズ
NetBSD/hp700 ヒューレットパッカード 9000 シリーズ 700 ワークステーション
NetBSD/hpcarm StrongARMベースWindows CE PDAマシン
NetBSD/hpcmips MIPSベース Windows CE PDAマシン
NetBSD/hpcsh 日立SH3/4ベースWindows CE PDAマシン
NetBSD/i386 80x86ベース IBM PCおよびその互換機
NetBSD/ibmnws IBM Network Station 1000
NetBSD/iyonix Castle Technology の ARM ベース Iyonix PC
NetBSD/luna68k オムロンLUNAシリーズ
NetBSD/mac68k 68k CPUのアップルMacintosh
NetBSD/macppc アップルPower Macintoshおよびその互換機
NetBSD/mipsco MIPS Computer Systems Inc. ワークステーションおよびサーバーファミリー
NetBSD/mmeye BrainsのmmEyeマルチメディアサーバー
NetBSD/mvme68k モトローラ MVME 68k SBC
NetBSD/mvmeppc モトローラ PowerPC VME SBC
NetBSD/netwinder StrongARMベース NetWinderマシン
NetBSD/news68k ソニー 68kベース NET WORK STATION シリーズ
NetBSD/newsmips ソニー MIPSベース NET WORK STATION シリーズ
NetBSD/next68k NeXT 68k 黒い ハードウェア
NetBSD/ofppc OpenFirmware PowerPC マシン
NetBSD/pmax Digital MIPS ベース DECstation および DECsystem
NetBSD/pmppc Artesyn の PM/PPC ボード
NetBSD/prep PReP (PowerPC Reference Platform)およびCHRPマシン
NetBSD/sandpoint モトローラ Sandpoint参照プラットフォーム
NetBSD/sbmips Broadcom SiByte評価ボード
NetBSD/sgimips シリコングラフィックス MIPSベースワークステーション
NetBSD/shark Digital DNARD (shark)
NetBSD/sparc Sun SPARC (32ビット) および UltraSPARC (32ビットモード)
NetBSD/sparc64 Sun UltraSPARC (ネイティブ64ビットモード)
NetBSD/sun2 Sun 2
NetBSD/sun3 Sun 3 および 3x
NetBSD/vax Digital VAX
NetBSD/x68k シャープX680x0シリーズ

このリリースにおいて、以下のアーキテクチャーはソースコード形式でのみ 提供されています。

NetBSD/amigappc PowerPCベースAmigaボード
NetBSD/bebox Be IncのBeBox
NetBSD/pc532 NS32532ベースPC532コンピューター
NetBSD/playstation2 SONY PlayStation 2

2.0 と 3.0 の間の主要な変更点

変更点の完全な一覧は、 NetBSD 3.0 リリースツリーのトップディレクトリーにある CHANGES および CHANGES-3.0 ファイルにあります。 いくつかの重要な点は以下の通りです。

対応プラットフォームおよび機種

  • 新たなプラットフォームへの移植: iyonix. iyonix ポートは Iyonix PC に対応するものです。これは Castle Technology によるデスクトップコンピューターで、 600MHz XScale 80321 プロセッサーにもとづいています。
  • xen ポートが Xen 2.0 に対応しました。 特権モードと非特権モードのいずれにも対応しています。
  • evbarm ポートが TS-7200 シングルボードコンピューターに対応しています。 このボードは、NetBSD 制御のトースターで使われたものです。
  • sgimips ポートが IP12 (Personal Iris 4D/30, 4D/35, Indigo R3K) マシンに対応しました。
  • PowerPC 601 に新たに対応し、prep ポートが IBM RS/6000 60P 7020-011 に対応しました。

カーネル

  • i386 ポートが Enhanced SpeedStep Technology に対応しました。
  • statvfs(2) 系のシステムコールが追加されました。
  • ptm(4) (Unix/98 pty 多重化デバイス) が追加されました。
  • swwdog(4) (ソフトウェアウォッチドッグタイマー) が追加されました。
  • 自動コンフィギュレーションの枠組みが、デバイスドライバーの LKM 向けに書き直されました。
  • compat_darwin(8) エミュレーションが Mac OS X バージョン 10.3 に対応しました。 binaries.
  • sparc64 および shark ポートが、機種独立のコンソールの枠組みである wscons(9) へ移行しました。さらに、sparc64 ポートは XFree86 にもとづく X サーバーへ移行し、 アクセラレーションをともなう cg6, mach64, ffb/afb フレームバッファーに対応しました。
  • I/O を同期的に多重化するシステムコール pselect(2) および pollts(2) が新たに追加されました。
  • 実験的なバッファーキューの別方式として、優先度ごとの周期的スキャン BUFQ_PRIOCSCAN が追加されました。なお、既存の方式の NEW_BUFQ_STRATEGY は BUFQ_READPRIO に改名されました。これは、同方式が、 read 要求に write リクエスト要求より高い優先度を与えるためです。
  • カーネル構造体のアロケート方法のマップエントリーが改善され、 事前にシステム負荷がわかっている必要がなくなりました。つまり、 たとえ高負荷のサーバーであっても、カーネルに options MAX_KMAPENT を定義する必要はもうなくなった、 ということです。

ネットワーキング

  • TCP が、性能向上 (特に、遠距離接続時) のため、TCP Selective Acknowledgement Options (RFC 2018) に対応しました。また、攻撃に対する防御を強化するため、TCP MD5 signatures (RFC 2385) に対応しました。
  • TCP が、re(4), wm(4), xge(4) インターフェース上で、 ハードウェア支援された TCP/IPv4 セグメンテーションを利用できるようになりました。
  • OpenBSD のパケットフィルターが、 パケットフィルターの別の選択肢として統合されました。
  • IP Filter がバージョン 4.1.8 に更新されました。
  • KAME の IPsec スタックが ESP over NAT connections (RFC 3948) に対応しました。
  • IPv4 Protocol Independent Multicast (PIM) ルーティングに新たに対応しました。
  • ipsec-tools 0.6.3 で、NAT 接続上の ESP (RFC 3947), XAuth によるユーザー認証、Mode Config による VPN クライアントのネットワーク自動設定ができるようになりました。
  • RFC 3378 EtherIP に対応しました。これで gif(4) インターフェースをブリッジに追加することができます。
  • 仮想イーサネットデバイス tap(4) が追加されました。
  • ppp(4) が 2.4.3 に更新されました。
  • gre(4) IPv6 プロトコルのトンネリングに対応しました。

対応デバイス

  • iteide(4) が追加されました: ITE 8212 IDE コントローラーのドライバーです。
  • ixpide(4) が追加されました: ATI IXP シリーズのチップセットの IDE コントローラーのドライバーです。
  • pdcsata(4) が追加されました: Promise SATA150 (別名 PDC203xx) コントローラーのドライバーです。
  • ipw(4) が追加されました: Intel PRO/Wireless 2100 のドライバーです。
  • iwi(4) が追加されました: Intel PRO/Wireless 2200AG/2915ABG のドライバーです。
  • rtw(4) が追加されました: Realtek RTL8180L IEEE 802.11b 無線ネットワークのドライバーです。
  • vge(4) が追加されました: VIA VT612X ギガビットイーサネットコントローラーのドライバーです。
  • xge(4) が追加されました: Neterion Xframe-I 10 ギガビットイーサネットのドライバーです。
  • cdce(4) が追加されました: CDC USB イーサネットのドライバーです。
  • atu(4) が追加されました: Atmel AT76C50x based 802.11b 無線ネットワークインターフェースのドライバーです。
  • uep(4) が追加されました: eGalax USB タッチパネルコントローラーのドライバーです。
  • ugensa(4) が追加されました: USB 汎用シリアルアダプターのドライバーです。 現在のところ、CDMA 無線 PC カードに対応しています。
  • auixp(4) が追加されました: ATI IXP シリーズのチップセットのオーディオコントローラーのドライバーです。
  • auacer(4) が追加されました: ALi M5455 オーディオコントローラーのドライバーです。
  • azalia(4) が追加されました: High Definition オーディオコントローラーのドライバーです。
  • spif(4) が追加されました: Sun SUNW,spif マルチポート Sbus カードのドライバーです。
  • viaide(4) が nForce2 Ultra 400, nForce3 250 IDE および SATA, nForce4 IDE および SATA コントローラーに対応しました。また、viaide(4) は VIA VT6421 SATA RAID コントローラーにも対応しましたが、コントローラー上のドライバーを、 コントローラーの BIOS の RAID/JOBS で設定する必要があります。
  • siside(4) が SiS 180 および 741 SATA コントローラーに対応しました。
  • artsata(4) (Intel i31244 シリアル ATA ディスクコントローラーのドライバー) が DPA モードに対応しました。
  • satalink(4) が Silicon Image 3512 SATA に対応しました。
  • piixide(4) が Intel 82801FB/FR (ICH6/6R) IDE および SATA, 82801FBM SATA, 82801G (ICH7) IDE および SATA, i6300ESB IDE および SATA コントローラーに対応しました。また、Intel 6300ESB オンボード RAID で使われている Adaptec HostRAID 形式の RAID0 および RAID1 に、 最低限ですが対応しました。
  • stge(4) がハードウェアチェックサムつきの sparc64 をはじめとするビッグエンディアンのマシン上で動作するようになりました。
  • aac(4) が Adaptec SATA RAID 2810SA に対応しました。
  • mpt(4) が LSI Logic FC919x SCSI コントローラーに対応しました。
  • spc(4) が Fujitsu MB87030-based PCMCIA SCSI コントローラーに対応しました。
  • bge(4) が Broadcom BCM5788, BCM5705K, BCM5721, BCM5751M ギガビットイーサネットコントローラーに対応しました。また、 802.3x フロー制御に対応しています。
  • gem(4) および hme(4) がハードウェアチェックサムに対応しました。
  • re(4) および wm(4) が TCPv4 ハードウェア送信セグメントオフロードに対応しました。
  • wm(4) がより多くの Intel ギガビットイーサネットチップに対応し、64 ビット PCI DMA 転送に対応しました。
  • re(4) が Corega CG-LAPCIGT ギガビットイーサネットおよび、 NetGear GA-511 をはじめとする RTL8169 にもとづく CardBus イーサネットインターフェースに対応しました。
  • ex(4) が 3Com 3c920B-EMB-WNM 統合ファストイーサネットに対応しました。
  • sk(4) が Belkin ギガビットデスクトップネットワークカードに対応しました。
  • bce(4) が Broadcom BCM4401-B0 イーサネットに対応しました。
  • tl(4) が Compaq Netelligent 10 T/2 PCI UTP/Coax コントローラーに対応しました。
  • wi(4) が SMC2531W-B EliteConnect 無線アダプターに対応しました。
  • fxp(4) が Intel 82801FB (ICH6) 10/100 イーサネットに対応しました。
  • tlp(4) が LinkSys PCMPC200 CardBus イーサネットおよび ASIX AX88140A/AX88141 チップセットに対応しました。
  • atw(4) (ADMtek ADM8211 802.11 無線ネットワークドライバー) に多くの改良がおこなわれました。
  • auich(4) が nForce2 Ultra 400, nForce3 250 MCP-T AC-97, nForce4, Intel ICH7, Intel 6300ESB オーディオコントローラーに対応しました。
  • auvia(4) がサスペンドおよびリジュームに対応しました。
  • puc(4) が VS-Com PCI-210H 2S/1P カード、VScom PCI-200 2S カード、ADDI-DATA APCI-7800 8 ポートシリアルアダプターに対応しました。
  • uftdi(4) が Sealevel Systems の uftdi にもとづく USB-シリアルアダプターに対応しました。
  • uvscom(4) が SUNTAC U-Cable タイプ A4 USB シリアルアダプターに対応しました。
  • pms(4) が synaptics タッチパッドに対応しました。
  • lm(4) が iTE IT8705f および Winbond 83627THF 環境モニターコントローラーに対応しました。
  • ehci(4) USB 2.0 コントローラーに多くのバグ修正と改良がおこなわれました。
  • uaudio(4) デバイスに多くの修正がおこなわれました。
  • uax(4) ASIX AX88172 USB イーサネットドライバーが、 FreeBSD に由来する axe(4) ドライバーに置き換えられました。
  • vnd(4) 疑似デバイスが、圧縮イメージに対応しました。

ファイルシステム

  • FreeBSD 由来の UFS_DIRHASH に新たに対応しました。UFS_DIRHASH は、 メモリー上にハッシュテーブルを持つことで、 UFS 上の大きなディレクトリーの探索性能を向上させます。
  • 疑似端末ファイルシステム ptyfs が追加されました。
  • CD9660 ファイルシステムが、Joliet 拡張を使った UTF-8 のファイル名に対応しました。
  • ext2fs が (2 GB を超える) 巨大ファイルに対応しました。 また、fsck_ext2fs(8) もそのようなファイルの処理と、 旧来のファイルシステムからの変換に対応します。
  • ログ構造化ファイルシステム (LFS) の安定性が改善されました。
  • vnd(4) が圧縮ディスクイメージの読み込みに対応しました。 圧縮ディスクイメージ作成用のツール vndcompress(1) が新たに追加されました。

ライブラリー

  • PAM (Pluggable Authentication Modules) の枠組みが追加されました。
  • C++ でワイド文字列に対応しました。
  • getpwent_r() などの再入可能なライブラリー関数が追加されました。
  • i386 用の libc 文字列関数のいくつかが、 最適化されたバージョンに置き換えられました。
  • DCE 1.1 RPC 互換 UUID (Universally Unique Identifier) ルーチンが libc に追加されました。
  • memmem(3) が libc に追加されました。これは FreeBSD や Linux の同関数と API 互換です。

セキュリティー

  • Veriexec の枠組みが、ファイルごとのデータをハッシュテーブルを使って保持するようになり、 操作がより高速になりました。4 段階の強制レベルを使うことができ、饒舌性を完全に制御することができます。 以前のバージョンにくらべ、署名ファイルを簡単に作れるようになり、柔軟性が向上しました。
  • より安全なハッシュアルゴリズム群を使えるようにするため、libc に SHA2 が追加され、 cksum(1) および mtree(8) がこれらに対応しました。

システム管理およびユーザーツール

  • sysinst インストールプログラムに、スペイン語訳をはじめ、 さまざまな改良がおこなわれました。
  • syslogd(8) に多くの改良がおこなわれました。ほとんどは FreeBSD に由来するものです。
  • fsck(8) に進度メーターのオプションが追加されました。
  • dump(8) がファイルシステムスナップショットに対応しました。
  • sockstat(1) が追加されました。オープンされているソケットの一覧を出力します。
  • 数列を出力するユーティリティー seq(1) が追加されました。 seq(1) は Plan 9 から派生したものです。

その他いろいろ

  • audio(9) インターフェースが改良されました。 オーディオソフトウェアフィルターパイプライン機構が追加され、 ハードウェアドライバーのエンコーディング対応やサンプルレート対応が容易になりました。
  • ベースシステムに附属するサードパーティー製パッケージのほとんどが、 以下に示す安定版リリースに更新されました。
    • am-utils 6.1-rc2
    • BIND 9.3.0
    • binutils 2.15-20041204
    • cvs 1.11.20
    • file 4.13
    • gcc 3.3.3
    • groff 1.19.1
    • OpenSSH 3.9
    • OpenSSL 0.9.7d
    • Postfix 2.1.5
    • sendmail 8.13.3
    • tcpdump 3.8.3
    • texinfo 4.7
    • tzdata2005o
    • XFree86 4.5.0
  • 多くのパッケージが pkgsrc システムに新しく追加あるいは更新されました。 この中には、最新版の GNOME, KDE, Xfce デスクトップや、 Perl 言語、Apache web サーバーその他いろいろが含まれています。 これを書いている時点で、5,700 を超えるサードパーティーパッケージが pkgsrc で利用可能です。

もちろん、数えきれないほどのバグ修正やさまざまな拡張がおこなわれました。

現時点で注意すべきこととして、sysinst ではあらかじめ作成された サードパーティーバイナリーパッケージや pkgsrc システム自身を インストールできません。詳しくは、NetBSD パッケージコレクションドキュメンテーションを参照してください。

謝辞

NetBSD Foundationは、コード、ハードウェア、ドキュメンテーション、 資金、サーバーの場所、webページその他のドキュメンテーション、 リリースエンジニアリング、その他のリソースを、長年に渡って提供して くださった全ての人々に感謝します。 NetBSD を立ち上げた人々についての 詳細な情報は以下の場所にあります。

私達が使っているコードの膨大なサブセットを提供してくれた カリフォルニア大学バークレー校とGNUプロジェクトには、特に感謝します。 また、サーバーを提供していただいている Internet Systems Consortium Inc., Columbia University, Luleå University of Technology の Ludd (Luleå Academic Computer Society) computer society にも感謝します。

NetBSD Foundation について

NetBSD Foundation は1995年に、NetBSDプロジェクトの中核のサービスを管理し、 産業界やオープンソースコミュニティーへのプロジェクトを売り込み、 NetBSDのコードベースの知的所有権を守るために設立されました。 日々のプロジェクトの作業は、ボランティアによっておこなわれています。

NetBSD Foundation は非営利の組織で商業的背景を持たないことから、 利用者からの寄附に依存しています。 私たちのすばらしいオペレーティングシステムの製作を続けられるようにするため、 寄附をしていただくようお願いしています。 寛大なご寄附をいただけたら、財団の運営費用のほか、 特に、進行中の更改や保守の支援となりますので、大変ありがたく思います。

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