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NetBSD 5.0 のアナウンス

NetBSD プロジェクトは、 NetBSD オペレーティングシステムの 13 回目のメジャーリリースとなる NetBSD 5.0 を 発表できることを喜ばしく思います。 NetBSD 5.0 の目玉は、近代的なマルチプロセッサー (SMP) やマルチコアシステムにおける性能と規模対応性が大幅に向上したことです。 マルチスレッド化されたアプリケーションでは、複数の CPU (あるいはコア) を効率的に使うことができるようになり、 I/O およびネットワークの負荷が高くなった状態でのシステム性能が改善され、 たとえばサーバーや科学計算やソフトウェア開発作業で恩恵をこうむることができます。

このような性能改善がなされたのは、 1:1 スレッディングモデルにもとづくスレッディングサブシステムの書き直し、 新しいカーネル同期プリミティブ、カーネルプリエンプション、スケジューラー実装の書き直し、 リアルタイムスケジューリング拡張、 プロセッサーセット スレッドアフィニティー用の動的な CPU セットなどがおこなわれた結果です。 仮想メモリー、メモリーアロケーター、 主なファイルシステム用のファイルシステムの枠組みなどといった、 中核となるカーネルサブシステムほぼすべてに、 抜本的な検査・見直しをおこない、高い並列性を持つアルゴリズムを使うようにしました。

2007 年中に皆さんからいただいた寛大な寄附のおかげで、 SMP 性能と規模対応性の分野において、 上述したような開発の多くを支援することができました。 このやりかたは大変うまくいっており、今後も続けていきたいと思っています。 皆さんが私たちを支援していただく方法は、以下の説明をご覧ください。

規模対応性と性能の改良のほかにも、多数の機能追加がおこなわれています。 目立ったものをいくつか挙げますと、 FFS ファイルシステム用メタデータジャーナリング ( WAPBL, Write Ahead Physical Block Logging) のプレビュー、 'jemalloc' メモリーアロケーター、多数のポートにおける X11 の XFree86 から X.Org への移行、 電源管理の枠組み (Power Management Framework, PMF)、 多くのラップトップにおける ACPI サスペンド・レジュームへの対応、 UDF ファイルシステムの書き込み対応、 自動化された試験の枠組み (Automated Testing Framework, ATF)実行可能なユーザースペースメタプログラム (Runnable Userspace Meta Program, rump) の枠組み、 i386 と amd64 それぞれにおける Xen 3.3 対応、 POSIX メッセージキュー 非同期 I/O、多数のハードウェアデバイスドライバーの追加などです。 詳細は、後に掲げる NetBSD 5.0 での変更点の一覧をご覧ください。

NetBSD 5.0 の完全なソースコードおよびバイナリーは、世界中の多くのサイトから ダウンロード可能です。FTP, AnonCVS, SUP やその他のサービスによる ダウンロードサイトの一覧が、 http://www.NetBSD.org/mirrors/ にあります。 ISO イメージを使ってインストールをする利用者のみなさんには、 ISO イメージ置き場にある torrent ファイルを使い、 BitTorrent 経由でダウンロードすることをおすすめします。 NetBSD 5.0 配布物のハッシュの一覧は、広く知られている NetBSD セキュリティーオフィサーの PGP 鍵で署名されています: ftp://ftp.NetBSD.org/pub/NetBSD/security/hashes/NetBSD-5.0_hashes.asc

NetBSD はフリーです。すべてのコードは非限定的ライセンスで配布され、 誰にもロイヤルティーを払うことなく利用できます。無償のサポートサービスを、 メーリングリストや Web サイトを通じて受けることができます。 また、商用サポートにも様々なものがあります。 NetBSD についてのより広範囲の情報は、 私たちの Web サイトから入手することができます。

2009 年寄附募集運動

皆さんから the NetBSD Foundation へ寄附していただくことで、 NetBSD プロジェクトはコードベースに大きな改良を加えることができます。 NetBSD 6.0 に向けた取り組みを始めるにあたって、 年末までに 60,000 米ドルを目標とした 2009 年年寄附募集運動を発表します。 私たちは、下記をはじめとするさまざまな領域において、 資金援助をともなう開発を続けていきたいと考えています。

  • ネットワークスタックの並列性および性能改善。
  • 近代的なファイルシステムの開発、および、 既存ファイルシステムの改善。
  • 組み込み環境で使われる機能、たとえば、 高解像度のタイマーや execute in place (XIP) 対応など。
  • 自動的な試験、および、品質保証。
私たちは最近、皆さんからの寄附への対応を変更しました。 寄附に関する詳細な情報は、 http://www.NetBSD.org/donations/ をご覧ください。

4.0 と 5.0 の間の主要な変更点

いくつかの重要な点は以下の通りです。

ネットワーキング

  • ipv6 fast forward が追加されました。
  • fast_ipsec(4): IPsec NAT-T に対応しました。

ファイルシステム

  • mount_psshfs(8): puffs(3) sshfs が追加されました。
  • refuse(3): FUSE 互換機能が puffs(3) の最上層に追加されました。
  • read-only Apple HFS+ ファイルシステムに、読み取り専用で対応しました。
  • mount_9p(8): puffs(3) を使った 9P ファイルサービスのマウントに対応しました。

ドライバー

  • オーディオ:

    • ...

  • ハードウェアモニター:

    • aiboost(4): ASUS AI Booster ACPI ハードウェアモニタードライバー。
    • smsc(4): SMSC LPC47B397 のハードウェア監視部分に対応しました。

  • その他いろいろ:

    • cmos(4): x86 CMOS RAM 用ドライバー
    • eeprom(8): arm と powerpc のカーネルでは、 eeprom のファームウェア設定を実際に変更することができませんでしたが、対応しました。
    • genfb(4): PCI および SBus フロントエンドを使う汎用のフレームバッファーコンソールドライバー。
    • Sun Ultra Enterprise 450 のハードウェア監視に対応しました。

  • ネットワーキング:

    • btuart(4),btuartd(8): Bluetooth HCI UART (H4) ドライバーに対応しました。
    • tcp(4): ソケットごとの keepalive タイマー設定と、 コネクションのタイムアウトの変更ができるようになりました。

  • セキュリティー:

    • ...

  • 電源管理:

    • ...

  • ストレージ:

    • ...

  • USB:

    • uslsa(4): CP210x USB-RS232 ucom ドライバーが追加されました。
    • zyd(4): ZyDAS ZD1211/ZD1211B USB IEEE 802.11b/g 無線ネットワークデバイスが追加されました。

プラットフォーム

  • i386:

    • Microsoft Xbox に対応しました。
    • VIA ACE (AES 暗号化命令) 用の opencrypto 暗号プロバイダーが追加されました。

  • x86 (i386, amd64):

    • CPU の電力消費と過熱を抑える、 サーマルモニター(Monitor feature, TM) 機能対応 Intel(R) オンデマンドクロック変更ドライバー

  • evbppc: Xilinx Virtex II-Pro/4-FX に対応しました。
  • macppc: VillageTronic MacPicasso 340 をはじめ、4 種類の Nubus ビデオカードに追加対応しました。
  • ixp425: NPE イーサネットに対応しました。
  • zaurus: Sharp C3x00 PDA に対応しました。
  • evbmips: Infineon ADM5120 への移植が追加されました。
  • sgimips: SGI O2 PS/2 コントローラー macekbc(4) および オンボードディスプレイアダプター crmfb(4) に対応しました。また、mavb(4) オーディオドライバーを取り込みました。
  • prep: RAVEN にもとづく MTX604 機に対応しました。 RAVEN にもとづく他の機種でも動作するでしょう。
  • mac68k: sn(4) イーサネットが、MI SONIC ドライバーを使うようになりました。

カーネルサブシステム

  • drm(4) (Direct Rendering Manager) を取り込みました。
  • POSIX 非同期 I/O (aio) に対応しました。
  • プロセススケジューラーをモジュール化し、 スケジューリングアルゴリズムを実行時に選択できるようにしました。

これからも、カーネルのインターフェースは洗練され、 ポート間でサブシステムやデバイスドライバーが共有されるでしょう。 これらの作業が進んでいくことを楽しみにしていてください。

セキュリティー

  • ...

ユーザーランド

  • サードパーティーのソフトウェアが更新されました。

    • BIND 9.4.1-P1
    • OpenSSL 0.9.8e
    • CVS 1.11.22
    • OpenSSH 4.4
    • gettext 0.14.4
    • PF from OpenBSD 3.7
    • (n)awk 20050424
    • Postfix 2.4.5
    • am-utils 6.1.3
    • file 4.21
    • zlib 1.2.3
    • GNU binutils 2.16.1
    • GNU groff 1.19.2
    • IPFilter 4.1.23
    • GNU gcc 4.1.2 prerelease
    • GNU gdb 6.5 (一部のアーキテクチャー)
    • NTP 4.2.4p2
    • pppd 2.4.4

  • sdiff(1): OpenBSD の sdiff(1) (パブリックドメイン) に置き換わりました。
  • curses(3): ワイド curses(3) に対応しました。
  • newgrp(1): 実効グループ ID 変更用ユーティリティーが追加されました。
  • tcpdrop(8): tcp(4) コネクション切断用ユーティリティー。

もちろん、以上のほかにも、 数えきれないほどのバグ修正やさまざまな拡張がおこなわれました。

NetBSD から削除された構成要素

今回の NetBSD リリースでは、 前回のリリースにあったソフトウェア構成要素のいくつかが削除されています。 このなかには、まったく役に立たないものや、 ユーティリティーの保守コストが過大なものもありました。 その他のものは、正しく動作せず、修正しようという関心も十分になかったものです。

  • pc532 ポートは NetBSD から削除されました。 利用可能なハードウェアがないこともあって、 関心が失われたためです。
  • NQNFS
  • ...

既知の問題

I/O のためにブロックデバイスノードを直接使うと、 /dev を含むファイルシステムが FFS でありかつ -o log でマウントされている場合に、 カーネルがクラッシュします。回避策は、raw ディスクデバイスを使うか、 /dev を含むファイルシステムを -o log なしでマウントし直すことです。

ときどき、gdb がデバッグ対象のプロセスを "single step" で実行中にハングさせることがあります。回避策は、そのプロセスを kill してから再起動することです。

gdb は、実行中のスレッド化されたプログラムを正しくデバッグできません。回避策は、 実行中のプログラムをデバッグするかわりに、 gcore(1) を使ってプログラムから core ファイルを作り、core ファイルを gdb に渡すことです。

pthread を使う、静的リンクされたバイナリーは、現在のところ壊れています。

AMD Opteron と Athlon 64 の初期リビジョンのなかには、バグがあるものがあり、 複数の CPU コアがアクティブに動作するとシステムが不安定になることがあります。 この問題の OS 側での回避策を準備しているところですが、 NetBSD 5.0 に含めるのは間に合いませんでした。 今後の 5.0 系のリリースでは、回避策が含まれる予定です。

NetBSD ミラーサイト

あなたに一番近いミラーサイトをご利用ください。

NetBSD 5.0 でサポートされるシステムファミリー

NetBSD 5.0 のリリースでは、以下のシステム用バイナリーを提供しています。

NetBSD/acorn26 Acorn Archimedes、A-シリーズ と R-シリーズのシステム
NetBSD/acorn32 Acorn RiscPC/A7000, VLSI RC7500
NetBSD/algor Algorithmics社 MIPS評価ボード
NetBSD/alpha Digital/Compaq Alpha (64ビット)
NetBSD/amd64 Opteron, Athlon64 などの AMD 系プロセッサーと、EM64T 拡張に対応した Intel CPU
NetBSD/amiga コモドール Amiga と、マクロシステム DraCo
NetBSD/arc Advanced RISC Computing仕様準拠のMIPSベースマシン
NetBSD/atari アタリ TT030、Falcon、Hades
NetBSD/bebox Be IncのBeBox
NetBSD/cats Chalice Technologyの CATS と Intel の EBSA-285 評価ボード
NetBSD/cesfic CES FIC8234 VME プロセッサーボード
NetBSD/cobalt コバルトネットワークスのMIPSベースマイクロサーバー
NetBSD/dreamcast セガドリームキャストゲーム機
NetBSD/evbarm ARM にもとづく各種の評価ボードおよび組み込み機器
NetBSD/evbmips MIPS にもとづく各種の評価ボードおよび組み込み機器
NetBSD/evbppc PowerPC にもとづく各種の評価ボードおよび組み込み機器
NetBSD/evbsh3 日立 Super-H SH3 と SH4 にもとづく各種の評価ボードおよび組み込み機器
NetBSD/ews4800mips MIPS にもとづく NEC の EWS4800 ワークステーション
NetBSD/hp300 ヒューレットパッカード9000/300と400シリーズ
NetBSD/hp700 ヒューレットパッカード 9000 シリーズ 700 ワークステーション
NetBSD/hpcarm StrongARMベースWindows CE PDAマシン
NetBSD/hpcmips MIPSベース Windows CE PDAマシン
NetBSD/hpcsh 日立 Super-H ベースWindows CE PDAマシン
NetBSD/i386 i486 系以上のプロセッサーを持つ、IBM PC および PC 互換機
NetBSD/ibmnws IBM Network Station 1000
NetBSD/iyonix Castle Technology の ARM ベース Iyonix PC
NetBSD/landisk SH4 プロセッサーにもとづく NAS 製品
NetBSD/luna68k オムロンLUNAシリーズ
NetBSD/mac68k Motorola 68k CPU を持つ、Apple Macintosh
NetBSD/macppc PowerPC にもとづく Apple Macintosh およびその互換機
NetBSD/mipsco MIPS Computer Systems Inc. ワークステーションおよびサーバーファミリー
NetBSD/mmeye BrainsのmmEyeマルチメディアサーバー
NetBSD/mvme68k モトローラ MVME 68k シングルボードコンピューター
NetBSD/mvmeppc モトローラ PowerPC VME シングルボードコンピューター
NetBSD/netwinder StrongARMベース NetWinderマシン
NetBSD/news68k ソニー 68kベース NET WORK STATION シリーズ
NetBSD/newsmips ソニー MIPSベース NET WORK STATION シリーズ
NetBSD/next68k NeXT 68k 黒い ハードウェア
NetBSD/ofppc OpenFirmware PowerPC マシン
NetBSD/pmax Digital MIPS ベース DECstation および DECsystem
NetBSD/prep PReP (PowerPC Reference Platform)およびCHRPマシン
NetBSD/sandpoint モトローラ Sandpoint参照プラットフォーム
NetBSD/sbmips Broadcom SiByte評価ボード
NetBSD/sgimips シリコングラフィックス MIPSベースワークステーション
NetBSD/shark Digital DNARD (shark)
NetBSD/sparc Sun SPARC (32ビット) および UltraSPARC (32ビットモード)
NetBSD/sparc64 Sun UltraSPARC (ネイティブ64ビットモード)
NetBSD/sun2 Motorola 68010 CPU を持つ、Sun Microsystems Sun 2 マシン
NetBSD/sun3 Motorola 68020 および 030 にもとづく Sun 3 および 3x マシン
NetBSD/vax Digital VAX
NetBSD/x68k シャープX680x0シリーズ
NetBSD/xen Xen 仮想マシンモニター
NetBSD/zaurus Sharp ARM PDA

このリリースにおいて、 以下のアーキテクチャーはソースコード形式でのみ提供されています。

NetBSD/amigappc PowerPCベースAmigaボード
NetBSD/ia64 Itanium 系プロセッサー
NetBSD/playstation2 SONY PlayStation2
NetBSD/rs6000 MCA ベース IBM RS/6000 シリーズ PowerPC マシン

謝辞

NetBSD Foundationは、コード、ハードウェア、ドキュメンテーション、 資金、サーバーの場所、webページその他のドキュメンテーション、 リリースエンジニアリング、その他のリソースを、長年に渡って提供して くださった全ての人々に感謝します。 NetBSD を立ち上げた人々についての 詳細な情報は以下の場所にあります。

私達が使っているコードの膨大なサブセットを提供してくれた カリフォルニア大学バークレー校とGNUプロジェクトには、特に感謝します。 また、サーバーを提供していただいている Internet Systems Consortium Inc., Columbia University Computer Science Department の Network Security Lab, LuleŚ University of Technology の Ludd (LuleŚ Academic Computer Society) computer society にも感謝します。

About NetBSD

NetBSD はフリー、高速、安全、かつ高い移植性を備えた Unix風のオープンソースオペレーティングシステムです。 大規模なサーバーシステムや強力なデスクトップから携帯端末や組み込みデバイスまで、 多くの機種で利用可能です。NetBSDのきれいな設計と進んだ特徴は、 製品としても研究環境としても優秀であり、 商売に使いやすいライセンスのもとで、ソースコードを自由に利用することができます。 NetBSD の開発とサポートは、 大きく活発な国際的な集団がおこなっています。 多くのアプリケーションも、 NetBSD パッケージコレクション (pkgsrc) を使って簡単に利用可能です。

NetBSD Foundation について

NetBSD Foundation は1995年に、NetBSDプロジェクトの中核のサービスを管理し、 産業界やオープンソースコミュニティーへのプロジェクトを売り込み、 NetBSDのコードベースの知的所有権を守るために設立されました。 日々のプロジェクトの作業は、ボランティアによっておこなわれています。

NetBSD Foundation は非営利の組織で商業的背景を持たないことから、 利用者からの寄附に依存しています。 私たちのすばらしいオペレーティングシステムの製作を続けられるようにするため、 寄附をしていただくようお願いしています。 寛大なご寄附をいただけたら、財団の運営費用のほか、 特に、進行中の更改や保守の支援となりますので、大変ありがたく思います。

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